タレントのりゅうちぇるさんが昨年8月、妻のぺこさんとの離婚を発表した際、「"夫"であることには、つらさを感じてしまうようになりました」と心情を吐露しました。新しい家族のかたちを模索する2人に対し、一部では「育児放棄だ」「自分勝手」といった批判が●到しました。
りゅうちぇるはなぜバッシングを受けたのか？
なぜ、りゅうちぇるさんはこれほどのバッシングを受けたのでしょうか。その背景には、私たち一人一人が持つ偏見や差別意識、そして多様性を認め合えない社会の歪みがあるのではないでしょうか。
りゅうちぇるさんは、男らしさや女らしさといった固定観念に縛られない自由な生き方を体現してきました。しかし、そのことが「ふつう」からの逸脱として批判の的になってしまったのです。
確かに、人の生き方や家族のあり方について、さまざまな見方があって当然です。しかし、建設的な議論とは程遠い、感情的な誹謗中傷が横行したことは看過できません。特に、性自認や性的指向など、その人の存在の根幹に関わる話題において、敬意を欠いた言動が与える影響は計り知れません。
私たちの社会には今なお、性別、年齢、国籍、障がいの有無など、あらゆる面での多様性を十分に認め合えていない現状があります。マイノリティの人々は今も差別や偏見に苦しんでいるのです。
一人一人が多様な個性を持つかけがえのない存在であることを理解し、お互いの違いを尊重し合える社会。それこそが、誰もが自分らしく生きられる社会への第一歩ではないでしょうか。
りゅうちぇるさんのように、勇気を持って自分の生き方を選択し、発信し続けることの難しさを、私たちは心に刻む必要があります。多様性を認め合い、共に生きる社会を実現するために、一人一人ができることを考えたいものです。
りゅうちぇるがバッシングを受けた際のネットユーザーの反応
りゅうちぇるさんがバッシングを受けた際のネットユーザーの反応は、大きく2つに分かれていたようです。
一つは、りゅうちぇるさんの生き方を批判し、誹謗中傷するグループです。「育児放棄だ」「自分勝手だ」といった感情的な言葉が飛び交い、りゅうちぇるさんの性自認や家族観に対する理解のなさが浮き彫りになりました。
もう一方は、バッシングに反発し、りゅうちぇるさんを擁護する意見です。多様な生き方を認め合えない社会の歪みを指摘し、一人一人の選択を尊重すべきだと訴えました。
ネットの匿名性が、無責任な誹謗中傷を助長している面は否めません。しかし同時に、バッシングに抗議する声も大きかったことは特筆すべきでしょう。
りゅうちぇるさんへのバッシングは、性別規範からの逸脱に対する根深い偏見や、多様性を認め合えない社会の課題を浮き彫りにしました。誰もが自分らしく生きられる社会の実現に向けて、建設的な議論を重ねていく必要性を、私たちに突きつけているのではないでしょうか。
