南くんの恋人 死亡?衝撃的な結末について

 

高橋由美子原作の漫画「南くんの恋人」は、主人公の南くんとその恋人ちよみの奇妙な同棲生活を描いた作品です。ある日突然ちよみが小さくなってしまい、南くんの部屋で一緒に暮らし始めるというファンタジックなストーリーですが、実はこの物語には衝撃的な結末が待っていました。

ちよみの正体

作中では明かされていませんが、設定ではちよみはすでに死んでおり、神様から「おまけの時間」をもらって南くんと過ごしていたのだそうです。つまり小さくなったちよみは、すでに亡くなっている彼女の姿だったのです。 

悲しみに暮れる南くん

物語のラストでは、南くんとちよみが旅行から帰る途中、事故に遭ってしまいます。崖から落ちそうになった南くんは、ポケットに入れていたちよみを落としてしまい、ちよみは消えてしまいました。

南くんはちよみを失ったショックから立ち直れず、彼女の死を受け入れられないまま、ちよみの人形を作って生活するようになります。南くんが精神的に不安定になっていく様子が描かれ、読者に大きな衝撃を与えました。

二重写しにされた恋人

ちよみが消えた後、南くんが作ったちよみの人形は、「成就しないピグマリオン」というモチーフになぞらえられています。ギリシャ神話に登場する彫刻家ピグマリオンが作った彫像のように、南くんにとってちよみの人形は、亡くなった恋人の面影を宿した存在だったのでしょう。

南くんの恋人の結末の解釈 死亡?

南くんの恋人の結末については、ちよみが本当に死んでいたのか、それとも南くんの妄想だったのかなど、さまざまな解釈があります。作者の内田春菊さんは真相を明かしていませんが、南くんの心の闇と、失われた恋人への思いが色濃く反映された作品だといえるでしょう。

独特の世界観とミステリアスな展開で人気を博した南くんの恋人。その衝撃的な結末は、今なお多くの読者の心に強く印象づけられています。恋人を失った悲しみと、現実を受け入れられない心情が繊細に描かれた名作です。